まるたや物語
まるたや洋菓子店の商品に込められた想いやまつわる出来事を物語として皆様にお届けしていきます。
時代と共に忘れ去られていく、バタークリーム。
まるたやでは、今現在もバタークリームを作り続けています。
求めてくれる人がいる限り、永遠に作り続けるでしょう。
まるたやの歴史の中でも、レシピを変えない数少ない物の一つに
バタークリームがあります。
皆さんのイメージでは、美味しくない、油っぽい、口溶けが悪い・・・
などあまり良い印象はないのではないでしょうか?
確かにまるたやの中でもいろいろな意見が出ますが、丁寧に作れば、生クリームにも負けないくらい美味しい物です。スイスロール、ロールカット、レーズンクッキー、バタークリームデコレーション、等に使用しています。
まるたやのなかでも比較的人気のある商品で、お陰様でよく出ています。
ここで材料の紹介ですが、美味しさを引き出す為に、たっぷりの砂糖と風味の
よいバター、それらをまとめるお酒です。
大量に、長年作り続ける為にはレシピ変更はなかなか大変なものです。
この中でも、バターは特にこだわりました。
白さと風味にこだわり カルピス製バターを使用しています。
カルピス製バターは、その名の通り、乳酸菌飲料「カルピス」を作る工程で、
生乳を分離し、脱脂乳はカルピスに、乳脂肪分をバターにしたのが始まりです。
カルピス製造販売に由来する為に、安定生産が出来ず、業務用として、一部に
販売していた為、知る人ぞ知る”幻のバター”と言われていました。
その、プレミアム感と白さの魅力に惹かれ
カルピス製バターを使用するようになりました。
※カルピス製バターの仕入状況により、他の国産バターを併用することがあります。
製法の御紹介
特別な事は何もせず、菓子屋ではオーソドックスなイタリアンメレンゲから
作り上げています。
大量の砂糖でシロップを作り、新鮮な卵白と合わせメレンゲを作り
独自にブレンドした数種類のリキュールを加え最後にバターの投入です。
しばらく立て続け、真っ白でほわっとしたバタークリームの完成です。
仕込者のみが許される出来たての状態チェックです。
濃厚で芳香、なんともいえない甘さ加減。舌の上で溶けて行くはかなさ…
アルコールが抜けていないので、香りがすごくいいです。
一度食べれば皆さんも虜になるかも知れません。
ロールにバタークリームを大量に巻きこみ大きな渦を作ります。
自家製マカロンのカリカリの食感とスポンジとクリーミーなバタークリームの
絶妙なとろけ具合。
冷蔵状態の硬いバタークリームがお好きな方と常温で柔らかくした物がお好きな方がいらっしゃいます。
苦手なかたも、食べ方をアレンジしてみると、意外と
再発見に
つながるかもしれませんよ。
クリスマスにも、必ずバタークリームデコレーションのラインナップは外せません。
毎年多くのリピーターの方が御購入して下さいます。
普段のバタークリームデコレーションのバラもバタークリームです。
職人が一つ一つ丁寧に作成し、ケーキの飾りに華を添えます。
最近では作る量も減りましたが、年間約4t、2日に1回のペースで仕込んでいます。
これからも、レシピを変えず、基本に忠実に製法し続けたいです。